ハブロックナットをトルクレンチ無しで締め付ける方法【整備の裏ワザ7】

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ハブロックナットをトルクレンチ無しで締め付ける方法【整備の裏ワザ7】

トルクレンチ無し! ハブロックナットの締め付け方!

整備で使える裏ワザを紹介します。

正規のやり方ではないので、もしこの方法でやられる人は自己責任でお願いします。

ハブロックナットをトルクレンチなしで締め付ける方法です。

本来なら規定値をトルクレンチで締めるのですが、トルクレンチがない場合、だいたいの規定トルク(締め付けトルク)で締め付ける方法です。

やり方は簡単!

締め付けトルク(規定トルク)に『0.1』を掛けて、『自分の体重』で割るだけで、トルクレンチがなくても大体の規定トルクで締め付けることが出来ます。

締め付けトルク × 0.1 ÷ 体重

この数式で計算すれば、トルクレンチが無くてもハブロックナットを締め付けることが出来ます。

「サンバーKV3」を例に説明します。

サンバーの締め付けトルクは、186Nm±20です。

186に0.1を掛けます。

これは、NmをKgmに直すためのです。

計算すると

186×0.1=18.6です。

次に、18.6を自分の体重で割ります。

私の場合は67キロなので

18.6÷67=0.277611・・・と続きます。

割り切れないので、小数点第3位を四捨五入します。

答えは、0.28です。

単位は、メートルになっているので、0.28mです。

センチに直すと、28cmです。

次に、大きなスピンナーハンドルを用意します。

スピンナーハンドルを用意できたら、支点から28cmに位置に印をします。

この位置に体重を掛ければ、だいたいの規定トルクで締め付けることが出来ます。

実際に体重をかける様子は動画でご覧ください。

やる前に、車のサイドブレーキをしっかり掛けておいて、輪止めもします。

そして、ある程度先に手で締め付けておきます。

締め付けたら、スピンナーハンドルを水平より少し上向にします。

体重をかけるときのポイントは、ゆっくり体重をかけることです。

踏み台などを用意した方がゆっくり体重をかけれます。

また、スピンナーハンドルの上は安定しないので、何か(車など)掴む場所を確保してください。

サンバーは最後、割ピンでロックするので、割ピンが通せる位置まで締め込み割ピンを通せば完了です。

以上が「裏ワザ」です。

私は、大きなトルクレンチは持っていないので、この方法で締め付けています。

あくまでも「裏ワザ」なので、正確な数値で締め付けたい場合は、トルクレンチを使ってください。

この裏ワザをやる場合は、自己責任でお願いします。

一応、数式を解説します。

186×0.1は、Nmをkgmに直す式です。

「1N=0.102kg」なので、「0.102」を掛けないといけないのですが、トルクレンチを使わない時点で、正確なトルクではないので「0.1」で計算します。

昔はkgmで整備書に書かれてましたが、いつしか国際的に標準化されたSI単位の登場で、Nmになりました。

186×0.1で18.6となります。

これは、1メートルの棒の先に18.6kgの重さを加えたトルクです。

18.6kgのオモリの代わりに、自分の体重を利用するのが今回の裏ワザです。

方程式を作ると

1[m] × 18.6[kg] = x[m] × 67[kg](自分の体重)となります。

xを計算するには

x=(1×18.6)/67

x=18.6÷67です。

計算すると、0.277611・・・になり

割り切れないので小数点第3位を四捨五入して、0.28mとなります。

センチに直すと、28cmです。

つまり、28cmの位置に自分の体重をかければ、大体の規定トルクがかけられると言うことです。

「リアハブロックナットをトルクレンチなしで締め付ける方法」でした。